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第12回・まずは絵と写真から

今回こそ「資料」を取り上げてしまうのである。第12回の今回は「歴史群像・名城シリーズ」の登場だ。

なんか、つい数年前、綺羅星の如く突如現れたこの名城シリーズ。ま、私が持っているのは大坂城と姫路城なのだが、この名城シリーズのすごい点はどこか?

それは、ズバリ、綿密な復元図だ。歴史群像シリーズにあるそれよりもかなり細かく、見ているだけでも楽しい。それに尽きると思う。今は無き建物に思いを馳せる――楽しい事ではないか。もちろんそれに付随する城の写真も健在だ。これらの資料は城の~~式縄張りとか気にしなくてもいいからすっごく楽しいんですよね。私も「完全城郭手引」とか書いていますけど、実はあんなの嫌いです。まあ、あれを書いたのは私の都合ですが・・・って自分を縄で縛ってしまったところで次の話題へ行く。

ま、文章も長々と書いてはありますが、これもまた興味深い事であります。城の建設(作事と普請)に関わった人々のエピソードや城主の思いなんかのところは特にいいです。こーゆーのが少し間違っているのを探しつづけて「ここが違う」と言い続けているときりがないよ、S君>千葉県某市。と私的なメッセージを入れたところで話しを続けよう。こういう資料っていろいろと間違いもありますがね、なんかそろそろ「またか」と思うレベルになってきちゃうんですよね、気にしないで読まないと「それじゃ読むな」って事にもなりかねないし。

と、なんか脈略無く書いてしまいましたけど、全国の城がいろいろと揃っているのもまたいいところ。「日本城郭体系」全巻揃えるよりは現実的だろう、ってあたり前か。

学研はこのようなビジュアル的に見ていい資料が揃っているのがいいですね。文章はともかくとして。いろいろと役に立つんですよ、結局は。

 

某誌を見て私の素姓に怒られた方へひたすら詫びる筆者

DATA:学習研究社、「歴史群像」名城シリーズ
(初出:「戦国メディア市・第12回」1997.11.9)


第11回・偉大すぎる前作をもった2作目

本当はこの戦国メディア市で初めて、資料(注:史料ではない)を紹介しようと思っていたが、ある、実に下らん理由で取り止め。あーあ、なんでこんなに制約がついてしまうんだろうか?

今回はまたもやゲームを取り上げる。「天下統一II」 最近、やっと?Windows95番が出て、ちょっとだけ再ブレイクしたが、私がやったのはPC-98版の「パワーアップセット」の方なので、悪しからず。

このゲームに初めて出会ったのは、もう6年くらい前だろうか。ある雑誌についてきた体験版をプレーして、「これは面白い」と思った。その体験版は100万石で終わりなのだが(つまり戦国大名レベルまで)、苦労の末、1日中やりつづけて、北条家で100万石に到達したのであった。その後、攻略本にて、予備知識を更に深め、結局製品版を買い、「ふぅー」と思いつつやりました。これが、「信長の野望・覇王伝」につながっていったわけです。

これがいいとこ、といったら、当時の信長の野望に比べて、グラフィックが、すっきりとしていた。だから、最初は信長の野望はクセがある、という先入観でいっぱいになってしまいました。あと、国によって兵の強さが違ったり、鉄砲の普及していく様、そのあたりが異様にマニアックで、おお、と思いましたね。何よりも、シンプルな合戦システム。このゲームの後覇王伝をやると覇王伝の方が面白い、と思ったが、今から考えるとこっちの方が絶対面白い。野戦なんかもコマンド少ないし、攻城戦も基本方針だけで進むから展開が早い。例えば、「この国を統一しよう」などという遊び方がよりしやすいゲームなのである。

なんてったって、最初に遊んだ戦国ゲーム。思い出深い。この天下統一シリーズは、第1作があまりにいい、というのが世間での評判だが、このIIもいいのに、この第1作の影に隠れてしまった、としか言いようがない。もっとも、第1作をプレーしていないので深い事は言えんが。

私は、こんなダイナミックでシンプル、かつ熱中できる戦国ゲーム再び現れないかなーと一人思い、そして笑っているのである。

プロジェクト参加者の筆者

DATA:システムソフト、天下統一II
(初出:「戦国メディア市・第11回」1997.10.26)


第10回・戦国時代はそこにある

前回、第10回は小説を取り上げる記念企画にする、と書いたが、諸般の事情で先送りになってしまいました。スミマセン。

それに変わる「戦国メディア市第10回記念特別企画」はいつもと趣向を変えて、一見関係なさそうなものを見ていこう、という物なのだ。では、いく。

  • NTTフェニックスミニのCMなんかどこぞの陣所のような物が現れる。そして、たいしょうらしきひとが「戦は飽きた!!」と叫ぶ(嫌いじゃ、だったかな)。その次に家臣らしき奴が吐く言葉が問題なのである。「ノブナガサマ!」・・・・・?その次がもっと問題である。「フェニックスミニでピポパ」信長が「なぁにがピポパじゃ」(この台詞だけは信長らしい)姫が出てきて「ワガママ言っちゃだめ」信長が「ウン」・・・・・・・・で、さいごに信長が「2台でイチキュッパ!」と叫んで終わりなのだが・・・・・。

    信長のイメージが失せるよ、これ。

    大体、あの将星録のAVIファイルですら苦情が出ているくらいなのだ。信長が「戦は飽きた」なんて口が裂けても言いそうにもないし、女(濃姫か、それとも吉乃か、鍋の方なのか・・・・謎だ)がごときに「ワガママ言っちゃだめ」といわれて、とろけるような声で「ウン!」などとほざくわけがなかろうが、たわけぇーーーーーーたわけたわけたわけたわけぇぇぇーーー どうせ信長でやるんだったら、秀吉の下にテレビ電話かけて「戦況はどうじゃ」と聞き「上々にござりまする」と秀吉が答え、「良し」。光秀にもかけて同じ事を聞いて「思わしくありませぬ」「たわけえ」と叱咤。次の日信長が本能寺に泊まっていると光秀が謀反・・・・の方が、確かにちょっと違うが面白いとは思うのだが。

  • 朝日新聞の連載小説「平成三十年」作者が堺屋太一だからか、登場人物がすべて戦国時代ゆかりの名前なのである。主人公・木下和夫、その同僚には、明智、柴田、坂井、斎藤、竹中、とこれまた織田家ゆかりの人々が。何よりも笑えるのは、木下和夫が務める情報産業省大臣・織田信介。経歴が、若い頃にソフト会社「オワリコン」を設立。そこで開発した「パソエン」がヒット。ついには、今川という政治家を破って衆議院に当選というのがすごい。これは一度読まないとだめですな。

・・・・・と二つしか紹介しておらず、やっぱり「手抜き」なのであった。

次のネタが見つからない筆者

(初出:「戦国メディア市・第10回」1997.10.10)