新暦日本史年表編纂後記一覧

年表編纂のやり方と深度について

2年くらいかけて「完全戦国年表・第4版」「完全幕末年表」「完全近現代史年表」「新暦日本史年表」の制作を行ってきました。年表本文の大半は、20歳になる前に作成していたものをベースに、人物名鑑の類は大人になって培った根性で作り上げました。それらの作業を行う気になったのは、「CMS化」「独自ドメイン化」「SSL化」等などの技術面もあるのですが、ズバリ言えば「参考文献の記載が無い」ことが気になっていたのです。
率直に言えば、「完全戦国年表・第1版」から「完全戦国年表・第3版」にかけては、まだ中学生から高校生の時分に作成したこともあり、参考文献は明記する、引用するときは出典を記すといった観点が希薄でした。さらに言えば、歴史小説を参考にして作成したページが多く(ネットの個人サイトには小説を参考文献として明記しているサイトもあり、それはそれで一つの見識だと思う)、さらに、そんな時分の作成だからどの本を参考にしたのかも記録に残していない。このことがずっと気になっていて。普通は、そういう場合Webサイトを閉じるのですけどね(笑)。
唯一「日本の城リファレンス 総論編」だけは、参考にした書籍を覚えており、原本も保管していたこともあり、そのまま(補強はしつつも)継続公開としたわけでした。

今回、「新暦日本史年表」は高校教科書、「完全近現代史年表」は受験向け日本史参考書、「完全戦国年表」「完全幕末年表」は日本通史を扱うシリーズを基底にして項目を選定、その後、必要に応じて書籍を読んで過不足を判定という方法で作成しています。参考文献ページにまとめていますが、引用を行ったときを除いて、「全般に参考した資料」としてまとめています。
歴史学、という観点では最初から史料にあたるべき……という考え方はあるのですが、何分にも歴史学を本業としていないこと、あくまで歴史趣味者であることから、「今回は」史料にあたる作り方はせず、優れた資料を読みあさって作成する、というスタイルをとりました。
「複数の年表を参考にして作る」という方法をとっておらず、年表自体も参考文献に入れているものの付き合わせて項目過不足チェックをそういった書籍で行っていないため、これまでの各編纂後記で書き散らしてきたとおり、項目の過不足(主として不足)はあると思います。再度書いておけば、”完全”を冠しているのは項目の深さ(日付&新暦換算まで、近現代史は日時分秒まで)というのを念頭に置いています。「新暦日本史年表」は項目もだいぶ精選してしまったので、完全を冠していない初めての年表です。これまた再びの記載ですが、年表には適正規模があるのです。リズム、テンポ。それら考えて項目の足し算引き算をしており、歴史的事実の羅列でしかない年表に著作権があるのはその選定基準に拠ります。

Webサイトを企画・運営すること自体を目的としているところがあり、サイト公開としての作成はまず一段落、人物名鑑の続きはやるとしても、あとはサイト自体の機能充実についてもフォローしていきたいと思いますので、引き続き22年目となるメルクマークタイムラインズをよろしくお願い申し上げます。


2018年12月6日、本当に新サイトは公開されるのか

予告だけでその後何のお知らせも無い「新暦日本史年表」と「完全近現代史年表」ですが、結論から書くと2018年12月6日木曜日午前0時にそれらサイトは公開される予定です。faviconだとかがリニューアルされたり、完全幕末年表・本文の更新がかかったりというのはそれら2サイトの準備にかかる作業のためです。

今回は年表だけなので、「新暦日本史年表」が5ページ、「完全近現代史年表」が8ページ、これにindexや参考文献がある程度の内容になります。かねて書いたような気もしますが、人物名鑑も無し。「戦国時代人物名鑑」「幕末明治人物名鑑」にある場合でもリンクも無し。

ちまちま編纂作業をしているのですが、忙しい時期と重なり、よく「完全戦国年表」と「完全幕末年表」はあの規模を公開(更改でもある)出来たなと自分で自分に感心すること頻りです。ここで言い訳モードですが、完成度は(誤字脱字誤リンク等あった)「完全戦国年表」「完全幕末年表」を下回ります。が、公開を先送りしても現状の本プロジェクトでは大差が無いため、公開に踏み切ります。

と、ちょっと作っていて思ったのは、自分は意外と歴史の本を読んでないのだな、ということ。なかなか新説のUpdateも出来てないなという感じもします。

「完全近現代史年表」の新趣向、というのは12月6日公開までのお楽しみ、ということで。説明は当日「完全近現代史年表編纂後記」にてお話しします。

拡大路線が良いのか悪いのかは読者諸氏の判断に委ねるところですが、自分は旅行と読書がしたいです。にがわらい。