第7回・また一歩、理想へ近づいていた~後編

ええと、今回はパワーアップキットについて触れたいと思います。8月1日に発売され、毎年のことではありますが、光栄に余計に金を払うこととなり、めでたしめでたしなのですが、なんとなく「天翔記」の時よりパワーアップしてないなあ、と思わざるを得ません。確かに「年表」機能はちょっと嬉しいけど、新武将作成や武将の改名なんかも出来ない、というのはねえ。それにすばらしいバグもありました。将星録本体の時は「九戸政実の顔が松前慶広と同じ」というのがありましたが、今回はさらに致命的。「シナリオ8の(新時代の到来)で松永久秀が大名なのに、『部将』の身分になっており、部将と同じ兵数しかもてない」松永久秀で暴れまわる、ということは出来ないのでしょうか。

とはいえ、大砲の数まで変えられる「城エディタ」の再登載は嬉しい。これで、弱小で城に篭もって遊ぶ、という事も出来るってもんだ。

まあ、私の「将星録」小話を最後に。とりあえず発売日に買った私はシナリオ2の織田で早速始めた。まあ、最初に内政にはまったものの、順調に勢力を拡大。それでも、天下統一は1590年代になってしまった。しかも、統一は7月。まあ、長宗我部でやったりしていた影響もあるのだけども。今はシナリオ5の伊達家でやっている最中である。例の拉致事件で伊達輝宗が死んだのが少し痛い。考えてみれば「イベントを起こさない」にしておけば良かったんだなあ、と思ったがもう後のお祭りである。本当に将星録は「やりたい、と中毒して思うことは少ないが、一度始めると時間を忘れるゲーム」である。

ところで・・・マシンの能力がたらんと重いんだよなあ。それにマッキントッシュでも640×480で出来ない、という問題も指摘されているしなあ。後、武田信玄は反則だと思う。まあ、足利義輝の「斬鉄剣」なんかの遊び要素が多いのも魅力だな。それと例の伝統イベントの彼が死なずに「わしが再び必要になるまで比叡山に登る」って何かなあ。分からん。あと、このゲームのオープニングは最高だね。エンディングの最後は受けたけど。

なんだかんだいって、ここに書いていて悪いことを一つも思い出せないのだ。今から次のが楽しみだ。

更新の後れ申し訳ない、と思う筆者

DATA:光栄、信長の野望・将星録

(初出:「戦国メディア市・第7回」1997.8.24)


第6回・また一歩、理想へ近づいていた~前編

去年の11月になっても新作の声が聞かれずどうしたものか、と思っていた信長の野望シリーズ。年末になりやっとリリースの情報が伝わってきた。しかし発売は96年春、と聞き少し残念に思ったのも今は昔。発売日に買ったのに(その時の様子は姉妹ページの町田PC MAPに少し書きました)天下統一したのは7月中旬。まあ、ゆっくりプレーできなかったからだけど・・・ というわけで、今回のメディア市は「信長の野望・将星録」です。

なんだかんだいって爆発的売れ行きを示したこのソフト・・・しかしよく見ると粗が目立つのでここでズタズタにけなしたろ!とも思いましたが、あまりにも「辛口な批評」で有名になりつつあるので、あえてここでは将星録の良さを広めていこう、と思うのである。

まず、最初に内政にはまった。というか、私は「理想の戦国ゲーム」を暇さえあれば考えているが、「内政と戦闘を一つの画面で」という発想は3年前から持っていた。それが今回実現したわけですな。とにかく、美しく城下町を作った。水田はレベル3、街もレベル3。こだわって作った。これが後で、天下統一遅延理由になるとは思いもよらなかった。とにかく美しくなった城下町を眺めうっとりする。緑のバーを見てうっとりするのとはわけが違う。

次、戦闘がいい。個人的には覇王伝の戦闘が好きだけど、今回のもよい。最初は本陣に弓で間接攻撃されて退却、ということに憤りを感じたが、こっちで決まると気分がよい。攻城戦も、最初は「何だこれ。15ターンで落とせるわけないだろ(私はシナリオ2の織田家でプレーしたため最初に攻撃したのは稲葉山城だった)。つまんね~」と思っていたが、次第に「手応え」を感じるようになっていった。

なんだかんだいってより史実に近づいた、のではないか。私の周りにいる「天翔記」からのユーザーは会見―奨励で忠誠が上げれないことに不満を持ったようだが。

「将星録」をプレーして感じたのは「天下統一」よりも内政で遊んだ方が面白いのではないか、ということである。前述の彼は天下統一を何回もしたそうだが、私は違う。極めて穴熊的戦略で遊ぶ。四国長宗我部帝国を作ったり、関東里見共和国(←なぜ北条でないかは不明)して遊んだ方が面白い。利根川・荒川をすべて治水し農業国家を作ったりさ、安土城に明智でこもったり。大体、天下統一をしたのは、豊臣秀吉と徳川家康の2名だけなんだから。出来なくて当然じゃないか。もっとも、天下を統一できなかった大名に天下を統一させるのが正しい遊び方なのではあろうが。

と長くなったのでまた次回。今度はパワーアップキットについても触れることとしよう。

手抜きだ、と思われたくはない筆者

DATA:光栄、信長の野望・将星録

(初出:「戦国メディア市・第6回」1997.8.10)


第5回・歴史もここまでお笑いに出来た

ある木曜日、新聞のテレビ欄を見ていたらなんか新番組が。「突撃!お笑い風林火山」がその名前である。第1回がなんだったか忘れてしまったのだが(でも戦国時代の何か)、バライティー番組として非常に面白いのである。そもそも、歴史ネタの番組というのは今まで、「見ていて眠ることが出来る」という感じがあった。自分がどんなにその話題に興味を持っていても眠れてしまう。しかし、この番組はそんなことはない。7時からの番組というせいもあるのだろうが。

確かにところどころ「えっ」と思うことはある。しかし、歴史好きという人は意外に少ないものである。歴史嫌いの人の多くの原因は「年号覚え」である。これに苦痛を感じない人もいるのだが、多くの人はこれがむかついてたまらない。私も戦国史の年号はそれなりに覚えてはいるが、思い出せない時もある。日本古代史や世界史なんぞはほとんど覚えていない。多くの歴史好き、少なくとも戦国時代愛好家の人々が好きなのが「エピソード」である。その人の明暗をあらわすエピソード、それがたまらなく好きでいくつも覚えている。大体こういう人は小説や時代劇から入った人である。私はこういう人を「第2種型歴史(戦国)愛好家」と定義したい。ま、中には年号どころかその事件の日付まで覚え、各種古文書を捜しまわり、「何とかの研究」という黄色のカバーに入った赤か青の硬い本を読んで楽しんでいる人もいる。「第1種型歴史(戦国)愛好家」と私は定義したい。このような人の一部が学者・史家となり、そのまたごく一部がとてもすばらしすぎて一般ピープルどころか普通の歴史マニアにも読むことが不可能な研究書を出すのである。

話しが横にそれた上に、「完全戦国年表には日付まで書いてあるじゃないか」という突っ込みを受けそうなので止めとするが、とにかくこの番組はぜんぜん違う。本当に純粋バライティーとして十分面白いのである。この番組の一番の目玉は「歴史再現」だと思う。これは今までどこの番組でもやっていなかった画期的なものである(時々某番組でやっていたかな?)。剣の変わりの棒も血のり?がついてわかりやすいし、芸人が奮闘しているところも笑える(ちょっと失礼)。ゲストも、「分かってるレベル」「分かってないレベル」の2種用意される。分かってるレベルの人(時代劇出演者が多い)の考察も面白い。最初に提示される仮定も、わかりやすく斬新(例:川中島合戦は紅白歌合戦だった)「一理ある」と思わせてしまうところが憎い。「風林ニュース」も、時代によって髪形が変わっている、というような細かさも大変よい。ただ、最後のインタビューは少し・・・まあ、しょうがないのだろうか。

読売新聞の放送塔なんかでも受けはいいらしい。歴史番組としてバライティーとして、中庸が取れていてそれなりによいので、まだの人は一度ご覧になってみれば。

「信長の野望・将星録」は少し待っていてください、といいたい筆者

DATA:フジテレビ、突撃!お笑い風林火山
(初出:「戦国メディア市・第5回」1997.6.22)