2004年12月25日一覧

テレビの愉しみ

 TBS「4月改編」早すぎる発表波紋…みの起用など::ZAKZAK
 またTBSが我慢できなかったのかという印象だ。「ウォッチ!」が上向きならそのまま嘗ての「めざましテレビ」のように我慢し続ければ定着するのに、みのもんたをウンと言わせて嬉しくなってすぐ発表。なんか、かつて露木茂氏を司会に抜擢した「おはよう!グッデイ」を思い出す。みのもんたが「サタデーずばッと」で調子いいというが、一体みの新朝番組はどこから客を奪うのか? まずめざましから若い層は取れないし、やじプラ見ているコアな層は取れまい。すると、ズームかNHKから奪うしかないが、そんな視聴習慣を変えてまでみのにスイッチする人間、家庭がどれほどいるのか。
 ぐだぐだの昼改変は良いとして、問題は「ニュースの森」撤廃→ワイド化だ。
 「ニュースの森」は、「民放のNHK」と謳われるようになり、「報道のTBS」と称されるようになった端緒となった番組「JNNニュースコープ」を引き継ぐ番組だが、先のオウムビデオ事件での対応(「ビデオを見せた事実はない」と主張」)や、その前のTBS自身をめぐる報道で自身に甘い報道をして、まさに「報道のTBSの転落」を見せ付けてくれた番組である。
 しかし、私はこの番組の歴代オープニングテーマが好きで、冒頭だけは良く見ていた(笑)。関東を離れてからは、地元ローカルニュース番組の出来が良く、これと併せて見ることも多くなった。
 何より、「NNNニュースプラス1」と違い、夜23時代のニュースで使いまわされることは少ないし、あの時間帯のニュースでは一番硬派だろう。関東にいた頃見てた限りでは、18時21分以降に社会問題を比較的よく扱う番組だった気がする。また、関東ローカルニュースに一番力を入れていたのも、「ニュースの森」ではなかっただろうか。
 「ニュースの森」は、関東圏では唯一の、全国ネット開始時間=関東での開始時間のニュース番組である。関東では生活情報番組化したニュース番組の裏で、TBSはドラマ再放送をやって、その時間帯1位になることもあったのではないか。「ダブル・キッチン」の再放送では、その週のドラマ部門トップ10に入っていた。TBS系列の地方局では、「どさんこワイド212」のような日本テレビ系列の地方ワイド番組に悉く惨敗し、「水戸黄門」の再放送で張り合っていて、これはこれで正しい選択だと思う。それが、16:54開始でしかも17時代に全国ネットをするという情報もあり、もし仮にTBSが「JNN」を冠にかけてしまえば、「JNN協定」でTBS系列局は放送せざるを得なくなる。そんなことをしたらTBS系列の地方局は壊滅だろう。ニュースで地元ワイドに勝てるわけがない。自然、18時18分からの地元ローカルニュースの低迷に繋がること必定だろう。
 正直、関東での17時代は芸能情報を扱わなければ視聴率は取れないと云われて久しい。「Jチャン」が堅調なのは奇跡的だが、「スーパーニュース」が撤廃した3時代ワイドショーの内容をここに持ってきていて断然強い。せっかく地域密着、商店街情報を扱い、「地元ワイド」をやってくれていた「ニュースプラス1」(当時 18時代No.1)が「エンタメ5」なんてやりだしたのも、17時代はスーパーニュースに屈したためだろう。
 9月リニューアルの小倉アナと池田キャスターはいい感じで、ポスト杉尾を担える逸材だっただけに(交代なら)残念である。あと、服部氏のオープニングテーマが好きだったのにな… 17時代にTBSのドラマを見ていたひとは、きっとスーパーニュースかプラス1に難民として流れることだろう。
 わたしは、TBSが嫌いではない。報道のスタンスに疑問を抱かせることも多いが、海外支局のネタは民放ではズバ抜けている。地方局が東京に上げてくるネタは中々の上物が多い。なにより、ドラマは筋書きで見せてくれるものをこれまで多く見てきたし、家族皆で見ることの出来るバラエティといったらTBSだろう。
だが、正直来年のTBSは、テレ朝に抜かれること必至な感じだ。別にわが道を行くのはかまわないが、死に至る病にだけはなってほしくない。
 と、こんなことを勝手に心配するのが、テレビの愉しみってもんである。