前回、「信長の野望」に対して何か、気にかかることを書いたような覚えがあるが、今回もまた、「信長の野望」関連です。
私と戦国時代との出会いのひとつに「天下統一II」が挙げられることはどこかに書いたと思うのだが、それで戦国時代に興味を持った私が次にであったのは、私の家の最寄り駅の近くにある、小さな書店でのことだった。「信長の野望・覇王伝事典」だった。
私は天下~から入ったせいか、「信長の野望」シリーズが好きではなかった。当時の「○○様、御命令を」が好きでなかった。天下~のほうが城がたくさんあって高級感にあふれていた。だが、なぜかその本を手にした私は、いろいろと新発見をするにいたるのである。
「えっ、福島正則って最後は転封されたの?」「武田信虎は信玄より長く生きたの?」など、発見は尽きなかった。ほかにも、「金山・銀山」の説明など、書店の中にもかかわらず、ついつい吹き出してしまうものもあった。
そんな蜜月にも終局は来た。突如、本がその書店からなくなったのである。探しても見つからなかった。どうせ、この俺を書店から締め出したい、書店側の陰謀と思いこみ、そして、あきらめた。
数ヶ月の年月が流れた。季節は春だった。私は、ふと横浜を歩いていた。そして、シャル(横浜近郊にお住まいでない方、固有名詞でごめんなさい)の5階、栄松堂書店で、その本と再びであったのである。私は速攻で(この間テレビを見ていたら、アナウンサーが「これ・・速く攻める意味なんですけど」と分かってないレベルの正論をはいていたが、無視)買った。帰りの相鉄線車中で読み始めた。おもしろかった。すごく面白かった。武将の事跡・解説等、まだまだ幼き私にちょうど合っていた。そこで、武将のエピソードや、面白い逸話などが、とても新鮮に頭の中に収納されていってしまったのである。
そう、戦国時代に汚されてしまったのである。
ついでに、パソコン関係やさらに戦国に関わりないことも多数載っているのが「もう、バッチし」という感じである。そうして、私は5月に、「信長の野望・覇王伝」を購入し、PC-9801UVで戦国時代に現実逃避していったのであった。
しかし、今から考えると、「あ」からずぅ~っと読み勧めても面白い。戦国時代の用語事典系では一番面白い、と思う。文章が、だけど。初心者の入門には、うってつけ過ぎる。もうゲームは、二代後のがうまれ、今年の末には信長8の登場が気にならなくもないが、まだ持っていないのなら、あるうちに買うことをいちおうお勧めしておこう。
自称里見オタクのSさんへ、
「グラフィック、早く上げろ」
と、私信を大声で叫びつづける筆者
DATA:光栄、「信長の野望・覇王伝事典」
(初出:「戦国メディア市・第24回」1998.5.2)